高麗恵子のアンドロメダエチオピアコーヒー物語

 
 

2021年10月


拝啓 実りの秋の香りが美しい今日この頃でございます。お元気でお過ごしでいらっしゃいますことを祈ります。秋はよりコーヒーを味わえる季節と感じています。豊かなひと時のお供として頂けましたら、幸いです。

2001年5月、エチオピア全土を撮影の旅することが決まり、回り始めました。日本で生まれ育った私には想像すらできなかった自然環境、人々の暮らしにただただ驚くばかりでした。衛生が悪く大変過酷な旅でしたが、そのようなことには替えられない生命の宝に出会い、生命ある人間としどう生きるかを深く考え、人生観が変わる旅となりました。誕生日の夜、過酷な旅路に疲れ果て、野原に寝そべっていました。ホテルと呼ぶ室内はとても居れるような環境ではなかったので、外で寝そべっていたのでした。満点の星が降り、この世ではない美しい風景を眺め、人生の不思議なことを想います。大地からは生命のダイナミックなエネルギーを感じ、宇宙に生きる生命を感じていました。地球上で生きる生命ではなく宇宙で生きる生命と確かに感じました。その時「今日で人生は終わる」と生命の声が聞こえ、受け止めました。世界の為に生きる人生が始まることを受け止めました。その後に呼ばれ、入った場は私の誕生日パーティーの場であったのです。こんな地の果てで誕生日をお祝いして頂くとは想像さえも出来ませんでした。エチオピア人にお祝い頂き、感動でいっぱいでした。そして依頼されたのがコーヒービジネスです。意外でしたが、予知していたこととは生命でわかっています。旅に出る前にアジスアベバのホテルのラウンジにて、エチオピアの哀愁漂う生演奏のピアノを聴きながら、人生を想う瞬間がありました。「コーヒーは天命」と生命から聞こえ、意外と感じるふりはしても、生命の内ではわかっていたと合点する感覚がありました。その後の出来事でしたので、天命を受け容れるように、素直に自然に即決でお引き受けすることをお答えしたのです。今、天命と聞こえたコーヒービジネスを仕切り直し、再スタートする気持ちで10月を迎えました。毎日頂いていますコーヒーです。改めてこんなに美味しいコーヒーは他では飲めないことを思い知り、改めて感謝の気持ちでいっぱいとなります。胃に残らず、最後まで清々しい体感でいれるのは先生の音を聴いているコーヒーよりありません。それもコーヒー発祥の地のカファから採れる野生種を頂けるのです。発見当時から薬で飲まれていたカファのコーヒーです。私もエチオピアへ行く度にコーヒーで胃腸が治ることを毎回経験していました。ほとんどの人が食中毒にあたるのです。何を食べてもお腹を壊してしまいます。コーヒーは胃腸の薬とし飲まれているとエチオピア人から聞いた時には合点がいきました。初めてエチオピアへ行き、家畜も死ぬと聞いた干魃の地へ行った時のコーヒーとの出会いの経験はよくお話させて戴いてきましたので、よくご存知と考えますが、コーヒーセレモニーにて頂きましたコーヒーを一口飲んだ瞬間、疲れが一変に取れて元気が出てきたのです。「薬みたい」と叫んだあの瞬間が今でも鮮明に覚えています。その時初めて「薬です」とエチオピアの人に教えて頂いたのでした。当時は信じ難いことでした。今は多くの人が合点がいくことと存じます。本当のことは時間で伝播するのですね。今、改めて大切なコーヒーを大切に頂き、体に染みいるお味とエネルギーを確認しながら頂いています。生きる力となっています。

コーヒービジネスの始まりの元は飢餓の支援です。ここが原点です。干魃の地で出会った子供たちの輝く美しい笑顔を心にコーヒーをお伝えさせて戴きます。これからも引き続き、定期購買のご利用をお願い申し上げます。深まりゆく秋と共に、内面豊かに深まる良い時をお過ごし下さいませ。お体を大切にお元気でお過ごし下さいますことをお祈り申し上げます。いつもありがとうございます。


敬具

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