高麗恵子のアンドロメダエチオピアコーヒー物語

 
 

2014年5月


拝啓 緑輝き美しい風吹く5月を迎えました。私は5月が一番大好きです。若葉輝き、新しい生命エネルギー溢れる5月の風に触れると生命の内から生きる力が生まれて参ります。皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。
 今、私は盛岡におりますが、NPO高麗の拠点でありますNPO高麗東北センターでは、「東北、日本の未来を考える 語る会」を催し、東北の地にてコーヒーの焙煎工場建設に向かう動きが生まれました。単に焙煎工場を作るという事ではなく、エチオピア、タンザニアとの出会いから生まれましたコーヒービジネスの原点から新しい焙煎工場を作る事を考えはじめています。いだきしん先生もエチオピアとの出会い、コーヒービジネスが生まれた背景を何度もお話下さっています。私も人類の未来を切り拓きたい気持ちから人類最古の人骨が発掘された地をはじめエチオピアの全土を歩きました。日本にいては想像も出来ない過酷な旅となりましたが、自然の生命とひとつで生きる生き方が身についていれば、過酷とは感じない旅であったという事も受け止めています。以来、自然の生命とひとつに生きる事を身につける新しい人生が始まりました。家畜も死ぬと聞く干ばつの地にて出会った子供達は、私の周りを飛び交い、輝く笑顔で共に歩いた事は、常に心の中に生き続けています。2度目に訪ねた時、誰ひとり会う事がなかった現実を目の当たりにし、生命が亡くなっても出会った魂は共にある事を常に心の内で感じ、生きています。コーヒービジネスの原点はここにあります。そして、ヤルガッチャフェコーヒーが採れるヤルガッチャフェ村に行きました時、やはり日本にいては考えられない出来事に遭遇する事の連続でした。物や色々な道具がある事が当たり前に暮らしてきた私には、道具も何もない地にて起こるアクシデントや困難を乗り越えていくには、生命の知恵よりない事を身に沁みわかる経験となりました。とても避難せずにはいれないスコールに打たれ、大自然には人間は太刀打ちすらできないのだと身をもって経験しました。その後、雨が上がった空に太陽の光があらわれ、雨の滴に日が当たり、輝くコーヒーの木を仰いだ時、コーヒー豆は、神様のプレゼントとわかりました。神の恵みの実であると心に受け容れた時、生きていることの感謝に震えました。そして、人間が行くには苦労も困難も多い道のりですが、多くの人のはたらきがあり、こんなに遠いアフリカの地から日本に運ばれてくる事をどれだけ感謝した事でしょう。私にとってコーヒー豆は、あの時わかった神の恵みと常に感じ、日本で頂ける事の幸せに心から感謝し頂いています。 
 東日本大震災が起こった時、いだきしんサウンドを一杯聴いている神の実のコーヒーを被災地の方にお届けしたくコーヒーの炊出しをさせて戴きました。香り良いコーヒーでもありますので、きっと多くの方々の心に潤いが広がった事と感じます。エチオピアの人も被災地にコーヒーをお届けしている事をお話すると、大変よろこんでおられました。人は人に役立つ事、人が喜んでくれる事が喜びであります事を共に分かち合い、感謝の気持ちでコーヒーをお届けさせて戴きました。東北の地に焙煎工場が出来るという事は、人類の未来を拓く大きなはたらきと考えます。原点から生まれる人類の未来を切り拓くコーヒービジネスを今後も展開していけます様にと望み、働いて参ります。今後もNPO高麗の活動主旨にご賛同頂き、エチオピアとタンザニアのコーヒーをお召し上がり頂けます事を心よりお願い申し上げます。いつもありがとうございます。

敬具

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