高麗恵子のアンドロメダエチオピアコーヒー物語

 
 

2019年9月


拝啓 暑さは残りますが、吹く風、虫の音に秋の訪れを感じます。9月を迎え、新しい時代を迎えた様に感じています。
 9月にはエチオピアからコーヒーに関わる方々が何名かお越しになることを聞いています。お会い出来る事を楽しみにしていますが、中々スケジュールが合わないので、お会いできないかもしれません。が、毎日便りが届くたびに、エチオピアの大地のエネルギーを感じ、日本にいながらもエチオピアにいる様に感じる事が多くなりました。同時にコーヒーは、エチオピアの大地のエネルギー、風を運んでくれます。私は、講演会等で、よくお話しをさせて戴きますが、この一粒のコーヒー豆が日本に届くまでの道のりの尊い事を身をもって経験しています。「遠いアフリカの大地よりはるばる日本の地までよくお越し下さいました」と頭を垂れ、心からの感謝の気持ちが生まれます。ヤルガッチャフェ村に行きました時、あまりに遠い道のりと日本では想像すらできない過酷な道中でした。道もなく、家もなく、何の手がかりもない広大な大地を走り続け、車のタイヤがパンクしてもジャッキもなく子供たちが木の枝を運び、タイヤ交換してくれた事等エチオピアに行かなければ、人生で経験する事もなかった人間が生きる力の計り知れない事を経験させて戴きました。挙句の果てに天地がひっくり返る程のスコールに遭い、自然の力に到底太刀打ちすらできない人間の無力さも生命をもって経験しました。この地で育ち、成る実は私は神の実と感じています。一粒のコーヒー豆に神を見るのです。日本まで来て頂けます事は、本当にありがたい事と感謝しています。最近、BSニュースでエチオピアの事が特集されていました。電車が走り、電車に乗るエチオピア人の姿を見た時、目を見張りました。大きく社会状況が変わった事を見、今後の方向を深く考える機会ともなりました。エチオピアはいつも生きる原点に立ち戻らせてくれます。
 タンザニアのキリマンジェロ・ゴマタスジコーヒーも大変なストーリーが背景にあり、日本に送られて参ります。人は中々行き来できませんが、コーヒー豆を通してエチオピア、タンザニアの大地や、人々とふれあい、交流できます事は、真にありがたいことと感謝しています。心触れ合うものが行き来し、平和は創られていくのだと考えています。今月も尊いコーヒー豆を皆様にご提供させて戴けます事を心より感謝申し上げます。私にとっては、毎日コーヒーを飲む事から一日が始まり、コーヒーなくしては過ごせない一日一日を生きる人生となりました。真にコーヒーは人生のお伴です。海外へ行く時も必ず持っていくものはコーヒーです。紛争地域や日本では考えられない大変な地に行った時、アンドロメダエチオピアコーヒーを一口飲むだけで疲れが吹き飛び、体中が熱くなり、元気が生まれてくる事がありがたく、どれほど感謝したかわかりません。今、再びエチオピアとの関係も新しく始まる予感があります。2001年11月10日首都アディスアベバ、メスケル広場にて11万人のエチオピア人が集ったいだきしん先生のコンサートにて生まれた、新しい愛が実る時を迎えていると感じます。季節は実りの秋を迎えています。私達の人生も本音が育ち実りゆくように美しく生きていけます様にと望みます。変わり目は気候の変化も激しくなりますのでお体を大切に、どんな時も内面豊かに美しくお過ごし下さいます様にと願っています。いつもありがとうございます。

敬具

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