高麗恵子のアンドロメダエチオピアコーヒー物語

 
 

2015年1月


拝啓 新春のお慶びを申し上げます。今年もアンドロメダエチオピアコーヒー、キリマンジェロゴマタスジコーヒーをどうぞ宜しくお願い申し上げます。今年は未年で「挑戦」「創造」がキーワードとお聞きしています。また、羊が大きいと書いて「美」がシンボルである事、羊毛が温もりのシンボルである事、温もりの中で創造性が生まれる等々、未年の意味を知れば知る程素晴らしい一年になると感じ、干支にちなみ良い年となります様に心より願い、今年も皆様と共に飛躍、成長出来る年を生きていければ幸いです。年頭に「飛翔」という言葉が生まれました。「翔」は羊が羽ばたくとも発見し更に喜びが生まれます。
 私共は今年も京都八坂「高麗ギャラリーカフェ」にていだきしん先生のお餅つきを皆でにぎわい、楽しい年の始まりを過ごしました。京都は61年ぶりの大雪となりましたが交通機関が困難であったにも関わらず全国から大勢の方々にお集まり頂き、皆様の御心を感じ、寒さも吹き飛ぶ程熱気にあふれ、大家族が集う温もりにあふれる元旦、2日のお餅つきとなりました。心よりお礼を申し上げます。私は、中庭にある「高麗」の看板が立つ離れを初めて開き、お客様をお招きさせて戴きました。いだきしん先生が比叡山の工房にて創られた器にてコーヒーを召し上がって頂くコーヒーセレモニーをさせて戴きました。いだきしん先生の創られた器は、様々な形をしていてもどの器を持っても手にぴったりと合い、一体感が生まれます。私はこのエネルギーが宇宙の生まれる3段階前の世界と体感します。人との境、全ての境がとれ、大宇宙、無限な世界とひとつになっていくのです。瞬間、人間の生命は宇宙生命であると感じ、人間中心の社会の中で作られた生き方はいかに自然に反し、生命のはたらきに反しているかに目覚めます。大宇宙とひとつである時、生命ある事に感謝し、温もり、愛あふれます。器をいだき、コーヒーを頂く事で人間とはどう生きるかに目覚めるコーヒーセレモニーは世界でここでより経験出来ない事と感謝します。いだきしん先生が淹れて下さいましたコーヒーが注がれた器を両手にいだき、一体感生まれ一口頂く瞬間、皆様のお顔が光り輝きます。気づけば大雪が降る中、セレモニーの順番を待つ長蛇の列が出来ていました。寒さ厳しい中を長い時間お待ち頂き、恐縮な限りでございますが、一口コーヒーを召し上がった後の美しい表情を見る時、ほっと安堵し喜び生まれます。私も離れの寒さの中ずっと居続けましたが皆様がコーヒーを召し上がると私の体が熱くなるのです。全て飲み干す頃には手が熱い程ぽかぽかになっているのです。生命ひとつである温もりを経験します。寒さの中でも温もりがある関係こそが真の関係と経験し今年の干支である未年のシンボルであります温もりを元旦のコーヒーセレモニーから経験することが出来ました。
 1月4日今年初めての「生命の詩会」を前にし、ふと離れに並ぶ先生の器を見た時、今日は中庭で八坂の塔と「高麗」の看板を眺めながらのコーヒーセレモニーを…と閃きました。急いで準備をし告知をし30分後のスタートという急なご案内にも関わらず、気づくと満席になる程たくさんの人が駆けつけて下さいました。屋根から雪が解ける音が聞こえ、雪解けの水は光の滴と見えます。1200年もの長きに渡りこの地にあり続けた八坂の塔の歴史ある威厳を感じる佇まいを仰ぎ、この世の美と感じる「高麗」の看板と真正面に対峙し、宇宙の器でコーヒーを頂くひと時のこの上ない幸せを何と表現したら良いでしょうか。真に人生の至福の時と感謝します。私は、岩のような器を両手にいだき、飲み口を探し、一口頂いた時、まるで岩間に流れる岩清水をすすっている様な清々しい体感が広がりました。今日のコーヒーは「岩清水」と皆様に表現していました。雪解けの音は岩清水の流れる音の様に聞こえ、生命の内を清き水が流れていくのです。雪解けの香りと早春の香りに包まれる八坂「高麗」の中庭でのコーヒーセレモニーは人生を考え、未来を見るかけがえのないひと時となりました。アンドロメダエチオピアコーヒーは元々薬とし飲まれ、今でもエチオピアでは薬と言われています。貴重な野生のコーヒーだからこその深い味わいは、いだきしん先生が創られる器と融合しこの世にない聖なる飲み物であると生命に沁み渡ります。まだこの味と体感を知らない沢山の方々に一度でもご経験頂きたい気持ちが生まれます。丁度観光で立ち寄られた方がアンドロメダエチオピアコーヒーを召し上がり「超美味しい」と喜び、NPO高麗の活動にご関心をもたれスタッフにたくさん質問をされておられました。私が中庭でコーヒーセレモニーを始めると、お越しになり「めっちゃ美味しい」と大変喜んでおられました。こんなひと時が人生豊かなひと時です。幸せを多くの方々と分かち合える人生が真に幸せと感じます。飛躍、飛翔、創造の未年のお供に今年もアンドロメダエチオピアコーヒーとキリマンジェロ ゴマタスジコーヒーを何卒宜しくお願い申し上げます。今年は被災地に焙煎工場を作る事を考えています。雪解けの頃に一歩動きを創りたい気持ちで準備をしています。日本の為、世界の為、人類の未来を切り拓く為はたらいていきたい本音を表し実現に向かいます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。                

敬具

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