高麗恵子のアンドロメダエチオピアコーヒー物語

 
 

2013年2月


拝啓 立春を迎え、寒さありながらも、季節が移り変わっていく生命の胎動が聞こえます。
 新しい年も早くも2月を迎え、お正月の京都でのお餅つきが遠い日のように感じる程に今年も変化が激しい日々を過ごしています。京都「高麗」にていだきしん先生が淹れて下さるコーヒーは、神々しい光あふれるコーヒーです。お浄めのように感じ、身も心も浄められ、生命洗われるようです。そして新しい生命エネルギーを得、新しい光に包まれ、生き返ったように感じられます。一杯のコーヒーがこれ程までに生きる力となることに感動します。ふと、エチオピアのヤルガッチャフェに行った時の事を思い出します。スコールが降ってきた時、神に出会いました。自然のはたらきを前にし、人間の意識のちっぽけさや都合は一掃され、頭を垂れました。生命あることの感謝が込み上げ、自然の生命とひとつである生命を体感し、地面を叩き付けるような雨の音に身も心も洗い流されたのです。先生の淹れて下さる一杯のコーヒーは遠いアフリカ大陸の大地の息吹を伝えてくれます。瞬時に生きる事の意味、人間とはどう生きていくのか、も教えられます。コーヒーといえどもコーヒーではなく、私は神の力が宿る黒い液体、とイスラムの高僧がおっしゃった事からコーヒーが知られるようになった、とお聞きした事を思い出します。私も神の力が宿っていると感じています。このような尊い物を頂けます事は誠にありがたい事と感謝します。
 東京の家の2階のキッチンで、コーヒーを淹れると、コーヒーの香りが一階にも家中に広がるのです。家の何処に行ってもコーヒーの香りに包まれ、幸せと感じます。エチオピアではアロマが心臓病に良く効き、薬とし飲まれていると聞いています。コーヒーの香りに包まれる家の中を歩く時、幸せを感じます。
 立春の日には京都「高麗ギャラリーカフェ」は模様替えをし、皆様をお迎えしようと準備しました。石畳の道を歩き、「高麗」に向かうと、雨の煙と南部鉄瓶で沸かしている湯気とがひとつになり、湯気に瞳が霞みながらコーヒーの香りに誘われ、「高麗」の軒先に辿り着きました。エチオピアコーヒーセレモニー式煮出しコーヒーをお出ししています。私も一杯下さい、と言い、コーヒーの香りを楽しみながら、寒い中を待っていました。熱いコーヒーを口に入れた瞬間、エチオピアの 大地の香りと味がし懐かしい故郷に帰ったように安堵しました。体も温まり、元気が出てきます。道行く人にも声をかけました。皆様笑みを返して下さいます。コーヒー文化のはじまり、と勝手に喜び、毎月やってみようと話し合いました。道行く人との会話も楽しみです。
 古都にエチオピアの大地の香りが漂う縁も不思議、と感じ、喜び生まれます。コーヒーによって出会う人、つながる縁を大切にし、世界の平和実現に向かえます事もありがたいです。これからも引き続きご支援頂けます様、どうぞよろしくお願い申し上げます。 いつもありがとうございます。

敬具

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