高麗恵子のアンドロメダエチオピアコーヒー物語

 
 

アンドロメダエチオピアコーヒー通信 Vol.1

2000年8月。
はじめてのアフリカ大陸、エチオピア。
緑濃くエネルギッシュな大地。真赤な花。風にゆれる草。
はじめてでありながら、ずっと昔から知っていたと感じるなつかしい光景。
大地は喜んで私達を迎えてくれた。
飢餓に瀕する人々のニュースを聞き、自分の事の様になんとかしなくては…という気持ちでじっとしていられずにやっと訪れたエチオピア。
家畜も死ぬという干ばつの地で出会った子供達の美しく輝く瞳に魅せられ、この子達の為に必ず役に立ちたいと心に誓う。その後二度と会えない子供達の姿を探し、自分の胸に共に在ると気づく。

2001年5月13日。
満天の星輝く大空を眺めながら、不思議な自分の運命を想う。小学生の頃、アフリカでは水も食物もなく飢餓に苦しむ人々、子供達がたくさんいることをはじめて知り、大変驚き、私も食物を食べなくなってしまった。母に「あなたが食べなくてもあの子達は助からない。食べなさい」とはっきり言われ、涙ながらに食べ、食物と共にのみ込んだ気持ちが今、蘇えっていることに沸々と悲しみと感謝の気持ちが湧いてくる。
今日は遠いエチオピアにて迎えた私の誕生日。
自分個人の人生は終わり、はるか彼方の無限な世界で生きる人生のはじまり。
私はエチオピアコーヒービジネスの依頼を受け、未来に道が開かれる予感に畏れながら希望の光をみつけ、紺碧の空のはるか彼方の世界をみた。

はじめてエチオピアでコーヒーセレモニーに参加した時、コーヒーハウスの中に丸い輪を描き、一人一人が坐ってコーヒーを頂いた。隣の人との会話だけでなく、少しはなれた真向かいの人の声も丸く響く空間になっており、そこに居る全ての人と会話が出来る憩いの場に喜ぶ。コーヒーセレモニーで淹れてくれたコーヒーはさわやかな水で体を清められた様に、清々しいエネルギーが体中に広がり、とっても気持ちが良い。旅の疲れが一ぺんにとれ、お腹から沸々と力が湧いてくる。
体の中から「おいしい」と叫んでいた。エチオピアコーヒーは最高においしいと感じ、関心を持ちはじめた。エチオピアでは、コーヒーは昔から薬として飲んでいると聞き、納得した。コーヒーセレモニーでは、生豆をフライパンで煎った後、つぶし、ポットに入れ、湧かし、しばらくすると小さなカップに注いでくれる。
心待ちにして飲んだ最初の一口は、体の中をスーッと入っていく。たとえようがなくさわやかでコクのあるおいしい飲み物、神さまから宝物を頂いた様にありがたい気持ちで一口一口大事に頂く。一緒に飲む人も、おいしいと声を上げ喜んでいる表情が又うれしく、皆で幸せを感じるひと時。皆が集い、疲れをとり、やすらかな憩いの時を過す家族、親戚、仲間のぬくもりを感じる。

おいしいものをおいしいままに伝えてほしいと依頼され、私は、この時の為に生きてきた人生と感じ、ありがたい気持ちで一杯になる。搾取構造がある限り、農民は貧困から抜け出せない実状を聞き、目の当たりに見、必ずなんとかするという意欲があふれ、固い決意が生まれる。NPO高麗の為に一番良質のフレッシュな豆を選りすぐり送って下さると聞き、気持ちに報いる為においしく体に良いブランド作りをしようと考え、いだきしんサウンドを豆に聞かせる研究をし、成功。
いだきしんサウンドを聞いた豆は光100パーセントで輝き、口に含むと光が注がれ、体があたたかく、楽になり、気持ちが平穏になりやさしい気持ちになる。
その時いつも美しく輝く瞳の子供達を感じる。
地球の裏側まで届くやさしいエネルギーと感じ、あの子達もきっと何か力を与えられていると感じ、私達の力となり、生命の交流が互いの生きる力となる。

必ず子供達が生きられる社会、地球環境を作っていくと、気持ちと先を作るエネルギーがあふれ、お伝えせずにいられない。私が選んだコーヒーは、(というようりも選ばれるように光が差し込んでいたコーヒー)カファ地域で生産された豆でした。カファはコーヒー発祥の地とも聞き、発祥の地の誇りを感じる。

エチオピアコーヒーは森の中で育つので、自然の恵みそのものでもあり、天に感謝し頂いたことを当然のこととわかり、更に感謝。
自然の恵みを分かち合いながら、貧困と飢えに苦しむことのない良い社会作りをと心より望みます。

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